TKC仕訳データから作る年またぎ推移表

TKCの会計ソフト(ローカルPCインストール型)の仕訳データから、年をまたいだ推移表を作ります。

仕訳データの形式は、GnuCashとも、SuperStream NXとも異なりますが、考え方は応用できます。

  • GnuCash…1行1科目、借方金額をプラス、貸方金額をマイナスで表現
  • SuperStream NX…1行1科目、金額はプラス、借方か貸方かはフラグで表現
  • TKC…1行に借方と貸方の2科目、金額はプラス

まず、最古月から最新月までを範囲に仕訳帳をCSV出力します。

「年月日」列を作る

「年」データがないので、最古年は自分で1セル入力してください。そして、「月日」列(* m.dd)から月を取り出す関数を入れます(「月」列)。

=RIGHT(LEFT(A2,3),2) 

そして、「年」列は1行目を除いて自動計算させましょう。

=IF(B3<B2,C2+1,C2) 

前行より月が減った(12→1)ら、年が進んだとして、前行の年に+1。そうでないなら前行のまま。これですべての行に年月が入りました。

最後に「年月日」列を作ります。推移表にはこの書式の年月日が必須です。

=DATEVALUE(C2&”/”&B2&”/”&RIGHT(A2,2))

「損益」列を作る

そのままだと金額情報が不完全です。不課税・雑収入だと税抜金額の列が空白だからです。そこで「損益」列を作り、次の式を入れておきます(表をテーブルにしている場合)。

=[@取引金額]-[@内、消費税等]

借方テーブル、貸方テーブルを作る

新しいシートにピボットテーブルを作ります。

四半期計や年の小計は出ないようにします。あと右端の「総計」列も削除しておき、「年」はすべて月単位に展開します。

貸方テーブルができたら、また新しいシートに借方テーブルをコピペして、「行」の「貸方CD」を「借方CD」に変更しただけの借方テーブルを作ります。

勘定科目マスタを作る

新しいシートに勘定科目マスタ(重複のないリスト)を作ります。勘定科目の一覧は、TKCの会計ソフトから切り出してもいいですし、仕訳データのコードと科目名の重複を削除して作成してもいいです。

途中で勘定科目名を変えていると、同じコードで異なる科目が2行残るので要注意です。勘定科目マスタは、コード順に並べ替えておきます。

推移表を作る

新しいシートを作り、まず、勘定科目マスタから、コード4111から8311までのコードと勘定科目名を推移表の行見出しとしてコピペします。

続いて、借方または貸方テーブルから、年月の行を推移表の列見出しとしてコピペします。

最後に金額を連動します。

収益科目の行には、次の関数で貸方金額から借方金額を引いた残額を表示します。貸方テーブル・借方テーブルは勘定科目名がないため、推移表より1列少ないです。そこで参照先がズレないようにするための関数が「COLUMN()-1」です。

=IFERROR(VLOOKUP($A4,貸方!$A:$ZZ,COLUMN()-1,FALSE),0)-IFERROR(VLOOKUP($A4,借方!$A:$ZZ,COLUMN()-1,FALSE),0)

費用科目の行に入れる関数は、上の貸方と借方を入れ替えるだけです。

=IFERROR(VLOOKUP($A4,借方!$A:$ZZ,COLUMN()-1,FALSE),0)-IFERROR(VLOOKUP($A4,貸方!$A:$ZZ,COLUMN()-1,FALSE),0)

これらの関数を、収益・費用ごとに間違いなく入力したら、売上総利益・販売管理費・営業利益などの集計科目を行挿入します。金額は推移表に加減算の計算式で算出します。

その月次の利益を計算して、会計ソフトの推移表の月次利益と合っていることを確認したら、右方向にドラッグして関数をコピーしましょう。これで、ひとまず完成です。下図が年またぎ推移表のイメージ。長いです。