Excelでセル結合を使うくらいなら「選択範囲内で中央揃え」を使う

みんながすっごく使いたがる割には、それを使われると、他人がとっても不便する機能。

それが、「セルを結合する」からの「横位置:中央揃え」。これ、今日からやめましょう。

この使用目的は、複数のセルにまたがって、見出しを付けることにあるのですが、そのためだけに、セルを結合する必要はありません。

シート内をカーソルキーで移動しているときに、結合セルに引っかかると、突然流れや選択範囲が変わって、操作しづらくなってしまいます。

その他、計算式を組むときも、どの行・列番を指定すれば結合セルを指定したことになるのか、よくわからなくなってしまいます。

メリットとデメリットが釣り合っていない操作といえます。

セルを横方向に複数選択して、セルの書式設定→横位置「選択範囲内で中央」をするだけ

セル結合の代わりとなる機能が、「選択範囲内で中央」です。

ひとつのセルに見出しを入力し、そのセルの横方向セルを複数選択して、書式設定→配置タブ→「横位置:選択範囲内で中央」を選ぶと、「セル結合+中央揃え」と同じ結果を得られます。

「選択範囲内で中央」は、「セル結合+中央揃え」の2ステップで行う操作を、1ステップでできる上に、結合による弊害を起こさない、よいことしかない便利機能です。

なのに、あまり知られていないので、みんなセルを結合してしまっています。みんなのまねをすることはありません。

セル結合をやめて、Excelの新たな世界を体験してみませんか。

今日の漫画

『パリピ孔明』…ドラマ化きっかけで読み始めました。横山光輝三国志と『小説十八史略』を読んだことがあるだけですが、ジャズ回もあり楽しめる音楽マンガ。特に現代の日本の登場人物たちが、三国志・漢詩の知識で能力バトルなどするのが面白いです。★3.5。

インボイスの四捨五入にはRound関数でなくInt関数を使う

消費税額を端数処理して整数にするために

インボイス制度では、売上請求書上の消費税額の計算は、合計額に対して1回だけ行います。

端数処理を1回だけ行うようにして、税込金額が小さくなりすぎないようにする節税防止制度です。代金はともかく、納税額は税込金額から算出しますので。

さて、この端数処理は、Excelでどうしていますか?

「端数処理といえばRound関数」と言われがちですが、端数処理して整数にするために、私はRound関数を一切使いません。

Int関数を使います。

Int関数で、税率10%の消費税額の小数第一位を四捨五入するには、次のような算式を組みます。

=Int([税込合計額]/1.1*0.1+0.5)

なお、軽減税率の場合には、 =Int([税込合計額]/1.08*0.08+0.5) とします。

ただし、合計額が正の値である場合に限ります。じゃあ、マイナス金額の四捨五入はどうすればいいのか?

Excelのセルにマイナス値を入力しないことをお勧めします。左のセルに、マイナスとわかるように「△」とでも打っておけばいいでしょう。

ちなみに、消費税算出上の端数処理は、切捨てでもいいので、その場合は、次のようにします。

=Int([税込合計額]/1.1*0.1)

なお、軽減税率の場合には、 =Int([税込合計額]/1.08*0.08) とします。

税抜合計額から消費税額を出したい場合は、 /1.1 や /1.08 を省けばよいです。

会計ソフトの自動税抜処理で出る税額の端数処理方法はご存じですか?

仕訳を入力するとき、税込金額で打っても自動で消費税額が出ると思いますが、その税額の端数処理はどうなっているかご存じですか?

上の四捨五入の算式 =Int([税込合計額]/1.1*0.1+0.5) の消費税額と、会計ソフトの消費税額が一致していたら、会計ソフトは、「小数第一位で四捨五入」をしていることになります。

「税込499,999円」などで試してみると、分かりやすいと思います。

売上税額の積上計算をしたい方は、Excelの売上請求書の税額と、会計ソフトの税額とを一致させるために、一度、会計ソフトの端数処理の挙動を確かめておくことをお勧めします。

とはいえ、通常は税額は一致していないくてもいいです。消費税の納税額は税込金額から算出しますので、そこだけ合っていればOKです。