条文を読め、というけれど

…根拠条文は、相続税法第21条の5で課税価格から60万円を控除するとなっています。あれっ、110万円じゃない。この法規集古いのかな?

『間違いだらけの相続税対策』秋山清成、2016、中央経済社

贈与税の基礎控除の話ですが、こういうこと、多いですよねえ(租税特別措置法で110万円になっている)。

やばいのは印紙税ですね。実際には軽減されているのに、条文に直接当たると軽減前の税額しか載ってないので、印紙を貼りすぎてしまいます。

あとは、相当の地代ですか。なんとなく、相続税評価額の6%と知っていますが、法人税基本通達の原文見ると8%とあってびびります。

いきなり条文を読んではいけない。その制度について、コンパクトにまとめた文献を読んでから、条文を読んだ方が理解が早いです。

なお、『間違いだらけの相続税対策』はシリーズ2巻まであり(『厳しい税務調査がやってくる』2021)、読みやすくて楽しい本でおすすめです。

ミスを指摘してくれる先達はあらまほしき事なり

『正直不動産』のようなお仕事マンガでありがちな話。無口な上司が突然、短い助言をくれる。そのことを守ったら、ミスをしないで済んだ。後日、他の人から、「自分のしようとしたことは、その上司が若い頃にしたミスだったと聞かされる」というものがあります。

以前、このありがちな展開を私も実地で体験しました。私がお客さんにあることを伝えたら、上司からすっと「そういうことを言うのはやめたほうがいい」と指摘されたのです。

数年後、別のお客さんから、「あの人(上司)は昔、うちの社長に『〇〇したら?』と言って、社長からカミナリを落とされたんだ」と聞きました。その〇〇は、私がそのときにした発言だったのです。

自分のしたミスを、他の人も繰り返さないように伝えること。大事なことだと思います。税務はミスが明確ですが、行政などミスが不明確な世界だと、「ミスではない」と言い張って一向に改善が進まない場合があり、残念に感じます。

減価償却システムで簿価マイナス資産が除却できない?

手書きなら、除却した資産の減価償却超過額なんて、さっと0にしてしまえばいいんですが、実務ではシステムに言うことを聞かせられないと、超過額が消えてくれません。

先日、減価償却システムで、ある資産を除却しようとしたら、エラーが出て除却できなくなりました。よく見ると、その簿価が何とマイナスです。前期に、誤って簿価より多い減価償却費を計上してしまっていたんですね。エラーを出すなら、簿価を超えて償却したときに出してくれればいいのに……。

あれこれ試行錯誤するうち、「なるほど、簿価マイナス資産を除却すると、出るはずのない除却益が発生してしまうから、エラーになるんだな」と思いました。

そこまで考えたら、ひらめきました。除却じゃなくて、売却したことにすればいいんだ! と。売却なら、利益が出るのは当然。システムでその資産を売却処理し、譲渡対価を0円で入力しました。無事、減価償却超過額は消えましたとさ。

在宅勤務で増える忘れ物対策

在宅勤務を始めてから、忘れ物が増えてしまった気がします。在宅勤務と、通常の通勤のみの生活との違いを考えてみました。

どちらも自宅と会社を行き来する生活という意味では同じなのですが、「在宅勤務では、仕事のものを、自宅で広げる」ことが違いではないでしょうか。

仕事のものを広げた結果、翌日、カバンにしまい忘れたまま出勤するミスが生じやすいと考えます。

すると対策は、在宅勤務時に広げたものは、出勤日の前日夜に、全部カバンにしまっておく。とりあえず、これしかない。会社の携帯電話を夜中充電したいときも、電源コードをつないだまま本体をカバンに突っ込んでおくとか。モノはカバンに集中させましょう。

パソコンのACアダプターなど、予備があるものは、自宅にも会社にも置いておく、という対策もありです。通勤そのものをなくすのが、最高の対策なのでしょうけども……。

私のしないことリスト

  • カーブした車道を横断しない
  • 紙の雑誌(趣味・娯楽)を買わない
  • 記憶に頼らない
  • 好きなミュージシャン以外のCDを買わない
  • 好きな銘柄以外のお酒を買わない
  • 昔好きだったものの再発版を買わない
  • ポイントが付くからという理由で買わない
  • 読む本があるのにパソコンを開かない
  • アルコール消毒を忘れない
  • あとでやろうとしない
  • 忘れそうな場所にモノを置かない
  • モノを重ねて置かない
  • 自分に言い聞かせない
  • よく知らないのに急行に乗らない
  • 洗濯物がスライドするほど風の強い日に、外に干さない
  • ケータイの充電を忘れない
  • 現金出納帳をつけ忘れない

最終チェックは前年版との比較

決算書や申告書などの成果物に、間違いがないか。これは、自問自答では絶対に発見できません。去年のものと比較してみる必要があります。

決算や申告などの怖いところは、1年に1回しかやらないから、経験を積みにくい点です。前にあそこで間違えたよな、と思って1つ、気を付けて処理をしても、実は2つ処理しないといけない、ということもあります。

でも、1年経つと、もう1つのことを忘れてしまうものです。当時のメモを見返しても、自分が何を言っているのか分からない。チェックリストが多すぎて、見逃してしまう等、対策を取っていても、ミスはするものです。

そこで、最後のチェックとして、去年自分が作った成果物である決算書や申告書と並べて、「新旧比較をする」という方法が有効です。「去年あったこの項目が、今年はない」となれば必ず「あれ?」と思います。

成果物のPDFに、なぜその処理をするのかのメモを添えておけばベストです。