映画「雲のむこう、約束の場所」

「雲のむこう、約束の場所」は、初期の傑作に位置づけられると思います。初期の傑作とは何か? 村上春樹でいえば『羊をめぐる冒険』で、エルジェでいえば『タンタンの冒険 青い蓮』。物語が語られ始めました。 新海誠監督のシチュエー … 続きを読む

映画「ほしのこえ」

新海誠監督は「君の名は。」で知ったのですが、記憶をたどると「秒速5センチメートル」のTVCMもときどき目にしていましたね。 で、音楽でも本でも、自分が好きになったアーティストは、原則として、好きになった最初の作品から過去 … 続きを読む

光文社古典新訳文庫『ワーニャ伯父さん』

村上春樹が新訳を出すのは、翻訳が古くなるからで、典型的には「やっこさん」という単語が出てくると、これは古いから新しくしないと、と思うそうです。 同じように考える人はいて、光文社古典新訳文庫が、その名の通り、古典に新訳を付 … 続きを読む

映画「ドライブ・マイ・カー」原作を超えるマッシュアップ作品

広島市街の空撮シーンでは、平和記念公園と、隣接する中国新聞社の白い社屋が懐かしかったです。コロナで果たせない旅行気分もおまけで付いてきます。 今作は原作に遠慮することなく、『ワーニャ伯父さん』+「シェエラザード」+「木野 … 続きを読む

他人に迷惑をかけずに、二人が幸せになることはできない~『天気の子』感想

「天気の子」の衝撃のラストシーンと対になる場面は、警察が来たときに陽菜さんが叫ぶ、「私たち、誰にも迷惑かけてません!」だと思うのです。 誰にも迷惑をかけていないはずの陽菜さんたち、あんまり幸せそうじゃありませんよね。私は … 続きを読む

愛とは二人で長い時間、信じて責任を感じ続けること――『天気の子』感想(ネタバレあり)

『天気の子』の主題歌は、「愛にできることはまだあるかい」。「ティーンエイジャーに愛だなんて」という批判をものともしない映画だ。 「自分たちが、世界のかたちを変えてしまった」と、帆高は信じている。だが、大人たちからは、「そ … 続きを読む

『君の名は。』の思い出

8月26日は、映画「君の名は。」の公開記念日です。あれからもう5年も経つんですね。私が見たのは、9月の中旬、神戸のポートピアにある映画館で、しかもレイトショーでした。 ネットで、彗星の軌道が変だという話題で知り、あまり期 … 続きを読む

竜とそばかすの姫(ネタバレなし)

まず、公式にある予告映像がネタバレ気味。「忘れられない夏になる編」「スペシャルPV」は見ない方がいいです。私はロケ地・高知県は東から西まで行ったことがあります。映画みたいに素敵なところでした。 個人的には細田作品、「時か … 続きを読む